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「合掌」のすがた

 東本願寺の同朋会館を訪れる機会があり、三階講堂に掲げられている「合掌の図」に出会うことができました。金沢教区專稱寺の住職で画家でもあった高光一也氏(1907-1986)の作品です。ご門徒の皆さんが合掌される姿が描かれ、お一人おひとりに、阿弥陀仏に帰命し南無する真摯な心を感じました。今にも念仏の声が聞こえてきそうで、耳を澄ましてしばらく見入ってしまいました。 

 

 絵の解説には、1961年(昭和36)の親鸞聖人700回御遠忌のポスターのために制作されたとあったので、早速、調べてみることにしました。見つけたのがこのポスター(写真)です。「合掌の図」を下絵に、「親鸞聖人七百回大遠忌法要」の文字が示されています。

 

 親鸞聖人700回御遠忌から60年余りたった今、精神的なふれあいや目に見えない世界との繋がりを大切にする思考や発想が貧弱になっていると感じることがあります。その中で、迷い、悩み、苦しみ、不安の中で生きづらさを感じているのが私たちでしょう。真宗のみ教えにふれ、念仏とともに生き、心の平穏や安らぎへと導かれたいものです。