今年は龍年。「龍」と言えば、正信偈で讃えられている七高僧の一人、 「龍樹」を思い出します。「龍樹」は、サンスクリット語(古代インドの言葉)で、「龍」が「ナーガー」、「樹」が「アルジュナ」で、あわせて「ナーガールジュナ」といいます。
では、どうしてこのような名で呼ばれるのでしょうか。そこにはある青年と「龍」との出会いがあります。青年は知識があって、我こそが一番との自信過剰で高慢な面がありました。それをみた龍は、青年のことを悲しく思い、海の中の宮殿へ連れていきました。そして、そこで「般若経」と出会わせました。青年は「般若経」を夢中になって読み、ついには、不退転の境地を得たのでした。
青年が「龍」(ナーガー)の助けで不退転の境地に至ったこと、また、「樹」(アルジュナ)の下で生まれたことから、「龍樹」(ナーガールジュナ)と呼ばれるようになったということです。
龍年の今年、私も「龍という年」に導かれ、親鸞聖人のみ教えにいっそう親しむことができればと思っています
〔参考〕『七高僧ものがたり』東本願寺出版